その日の夜、食事の席で有利が口を開いた。

「あのさ、俺がいた地球にはクリスマスってイベントがあるんだ。年末の5日前、25日に。明日ってそうだろ。だからここでも何かしたいなって思うんだけど」

昼間の出来事を思い出したのか、グウェンダルの眉間に皺が寄った。体調はもう回復したようだ。

「クリスマスですか?それは一体何をするんですか」

ギュンターが聞いてくる。

「特にどうするって訳じゃないけど皆で一緒に食事したり、プレゼント交換したり」

「食事だったら毎日一緒にしているだろう」

グウェンが身も蓋もない言い方をする。

「そーじゃなくてこの日は特別でさ、家族とか恋人とか、大事な人と一緒に過ごす日なんだよ。と俺は思ってる。眞魔国にきて、皆は俺の大事な人達だし、こっちの家族みたいなもんだからさ」

「陛下っっ、何て身に余る光栄。私の事を家族、いえ、恋人と思ってくれているなんて」

「イヤ、恋人とは思ってないし、汁拭いてくれ」

「ズーズーしいぞギュンター!恋人とは僕のことに決まっているだろう」

「やかましいーーっっ、食事中だっ」

グウェンダルが一喝すると渋々2人は黙った。

「で、どうすればいいのだ。そのクリスマスとやらは」

「え?」

「家族って言われて嬉しいんですよグウェンも」

隣りに座っていたコンラッドが小さく教える。

「付き合ってくれるんだ。ありがとう、グウェンダル」

「仕方ないな」

声は不機嫌そうだけどちょっと嬉しそうで有利も嬉しくなる。

「明日の夜、今日グウェンがいた部屋に集まってくれればいいよ」

ひくっとグウェンの顔が引きつった。昼間の出来事を思い出してしまったようだ。

「もう、雪はなしだから」

食堂から部屋へ戻る途中、ヴォルフラムがコンラッドを引き止めている。気にはなりつつも兄弟で話す事もあるだろう。有利は自室に戻っていった。
暫くするとコンラッドが部屋を尋ねてきた。

「ユーリ、頼まれた物、出来てるよ」

「うわっ凄い早いな。頼んだの昼間なのに」

「着てみたら。サイズは大丈夫だと思うけど、合わなかったら直してもらうから」

「うん」

コンラッドから受け取った服に袖を通す。

「大丈夫。ぴったりだよ」

目の前の可愛いサンタを微笑みながらコンラッドは見つめていた。

「へへっ、どう?」

くるくるっと一回転して鏡にうつしている。

「可愛いよ」

「可愛いって言われても…」

コンラッドが側に来て有利の手をとる。

「可愛いサンタさん。今日はイブだよ。明日は皆と過ごすんでしょ。だから今夜は俺と一緒に過ごしてくれないかな」

ちゅっとその手に口付けると有利が赤くなる。躊躇する有利に駄目押しをする。

「今夜ヴォルフは戻ってこないよ」

耳元で囁くと有利はギュッとコンラッドの手を握った。



ウトウトしながらコンラッドが起き上がるのをみていたら優しく声をかけられた。

「起こしてしまった?」

「ん…平気、うとうとしてたけど起きてた」

しかし起き上がらない有利の横に腰掛けると小さな箱を置いた。

「何?」

有利が目をこすりながら起き上がる。

「Xmasプレゼント。たいしたもんじゃないけど」

「開けて良い?」

「どうぞ」

黒い瞳を動かしながら赤いリボンを解き、丁寧に包装をはがしていく。

「これ…オルゴール」

ネジを回すと聞いた事のあるメロディ。子守歌かわりにコンラッドが有利に歌ってくれる大好きな曲だ。

「俺がいなくて眠れない時に使って下さいね」

「ありがとうコンラッド。でもこの曲地球の曲だろ?眞魔国でも流行ってるの」

「これは特別に作らせた物だからこの世界に一個しかないよ」

「すごいな。限定一個、ONLY ONEだ」

有利はその曲を聞き終わるとシーツを体に巻き付けて机の引き出しから今日買ったプレゼントを取り出す。

「コンラッド!これ俺からのXmasプレゼント」

「俺に?開けて良い」

有利は大きく頷いた。自然と顔がほころんでくる。
ヨザックが言っていた、『あれがルッテンベルグの獅子かね〜』と呆れてしまうほどの顔になる。

「手袋」

「うん。絶対似合うと思う。今の時期だと馬に乗る時、寒いだろ」

コンラッドは両手に手袋をはめて感触を確かめる。

「内緒にしてたけどさ、こっちでバイトしたお金で買ったんだ」

「ユーリ」

手袋をしたままコンラッドはユーリを抱き締めた。

「ありがとう。すごく嬉しいよ」

「うん、俺も」

ジュリアを失った時、もうこんなに大切だと思う人は現れないと思っていた。今、それ以上に大切な人が腕の中いる。涙がでそうだった。

「ありがとう」

もう一度コンラッドは呟き、抱き締める腕に力をいれた。

クリスマス当日。

「ユーリっ」

ジョギングも終わり朝食に行こうと廊下を歩いているとヴォルフラムに呼び止められた。

「おはよう、昨晩は帰ってこなかったけどどこに言ってたんだ…なんかものすごいボロボロじゃねぇ?」

「今日のクリスマスを楽しみにしていろ、ふっ」

それだけ言うとヴォルフラムは去っていった。

「なぁお兄ちゃん、昨日夕食の後、二人で話してたろ?何の話してたの」

「今日の夜は地球ではどんなことをするのかって」

「なんて答えたの?」

「この日は子供達が大きな靴下にプレゼントを入れてもらうのを待ってるとかサンタがトナカイに乗ってプレゼントを配るとかそんなとこですね」

「ふーん」

「あの汚れ方は気になりますね」

「だよな。転んだのかな」

まさかとは思うけど。

「取り合えず朝食にしましょう」

「そうだな」

朝食後、今日はクリスマスの準備をするからという名目で執務はなしにしてもらう。有利とコンラッドは昨日の部屋に最後の飾り付けをしに行った。部屋の中に置かれたままになっている杉だかモミだか微妙な木に小さな人形やリボンをぶら下げて、電灯も巻き付ける。

「なんかクリスマスらしくなってきたね」

夜、夕食はここに運んでもらうことになっている。

「料理もちょっとクリスマス風にしてもらおうと思って料理長にお願いしちゃったよ」

「素晴らしいホストぶりですね。きっと皆喜びますよ」

「ならいいな」

後は夜を待つばかりだった。

そしてその日の夜。
有利はプレゼントを入れた袋とサンタ服を部屋の中にあらかじめかくしておいた。プレゼントを渡す時に着替えて渡すつもりだ。
皆が次々と部屋に入ってくる。ツリーの飾り付けの評判も上々だ。
今夜は立食パーティになっているので皆好きに食事をしてもらっていたのだがその中にヴォルフラムの姿が見えない。辺りを見回していると村田が声をかけてきた。

「へぇ良くここまで飾り付けしたね」

「村田。お前またヴォルフラムに変な事教えただろ」

えーっ心外だよといいながらも眼鏡のしたの目は笑っている。

「あんまりヴォルフからかうなよ。こっちがとばっちりくうんだからな。そういえばヴォルフ見なかったか。プレゼント配りたいんだよな」

「さぁ見なかったよ」

「おかしいなぁ。俺ちょっと見てくるよ」

「陛下、俺が見てきましょう」

コンラッドがドアに近づき開けようとすると地面が揺れ始めた。

「なんだ?」

「地震!」

地響きが大きくなり何かが近付いてくる気配がする。

「ユーリ危ない」

コンラッドがユーリ抱えて扉の横へ素早く移動する。普段の姿から想像出来ない素早さでギュンターとグウェンダルが有利を守る体制をとる。
ドアがバタンと大きく開き、黒い物体が飛び込んできた。

「うもぉ〜ぉ」

「な、なんだぁ!」

「つ、ツノカワ!何でこんなところに」

グウェンダルの顔が青くなる。彼の頭の中で嫌な記憶が甦りつつあった。
ツノカワと呼ばれた、牛が巨大化したような動物はもう一度高らかに「うんもぉ〜」と鳴き声をあげた。

「陛下に近付けるなっ」

グウェンダルが剣を抜いた。

「待ってください」

何処からかヴォルフラムの声がする。

「ヴォルフ?何処にいるんだ?もしや喰われて腹ん中か」

「陛下、上に」

見上げるとツノカワにへばり付いているヴォルフラムの姿があった。

「何をしている、危ないから早く降りるんだ」

「何でそんなことしてんだよ」

「良く聞けユーリ!今日はクリスマスだ!この日は愛する者のところにサンタの格好をし、トナカイに乗ってプレゼントを渡す日だ。婚約者の僕がわざわざこんな格好をしてきたんだぞ。もっと喜べ」

有利は村田を睨み付けた。

「僕じゃなーい」

根本的に間違っています。フォンビーレフェルド卿。

「大体トナカイじゃねーし」

「とにかくそいつは危険だ、降りろヴォルフラム」

「ムホォ」

ツノカワがグウェンダルを睨み付けた。そいつ呼ばわりが気に食わなかったのか。

「兄上大丈夫です。昨晩みっちり調教を、うわっ!」

ツノカワが物凄い勢いでテーブルに突進し、並べてあった食事を食べ始めた。

「わー折角の料理が!!」

駆け寄って阻止しようとツノカワの背後に行ったのがまずかった。
黒い影がツノカワの回し蹴りだと気付いた時は顔面近くまで迫っていた。
(避けられない!)
ギュッと目を瞑り、ガードの構えだけとる。そのまま突き飛ばされて尻餅をつく。しかし予想していたほどの衝撃はない。

「…あれ?痛く…ない」

目を開けるとコンラッドの顔が真近にあった。

「陛下、怪我は?」

「大丈夫」

「良かった…」

一瞬、笑顔を見せたがすぐに苦痛の表情にかわる。

「コンラッド、怪我したのかっ!俺の事庇ったから」

「大丈夫。ちょっとかすっただけです」

「うわっ!」

ツノカワにしがみついていたヴォルフラムが振り落とされた。

「ヴォルフラム!」

すかさずグウェンダルがキャッチする。
有利はほっと胸を撫で下ろすが室内のテーブルはなぎ倒され、折角の食事はめちゃめちゃに荒らされているのを見て一気に頭に血が昇った。

「折角、皆が楽しく過ごしていたところに乱入し、傍若無人な振る舞い。挙句心を込めて作った食事をマナーも無視し喰い散らかすとは。米に宿る七人の神様に申し訳がたたん!!」

「ユーリは何を言っているんだ?」

「さぁ」

グウェンダルも豹変した有利の様子を唖然と見つめていた。

「食材を無駄にするなど以ての外。その行為許しがたし。成敗っっ!」

「うもももーっ」

鼻息を荒くしたツノカワが有利に向かって突進してきた。その巨体が有利に近づく前に室内に置いてあった木がわらわらと動き出し、ツノカワの前に立ちはだかると、いっせいに襲いかかった。
ゴツンと大きな音と窓ガラスが割れる音が室内に響き渡り、ツノカワは外へ飛ばされ見えなくなった。

「城外ホームランですね」

「成敗」

締めくくりの台詞を言うと
その場で有利が倒れそうになるのをコンラッドが抱き締めた。すぐに有利は正気に戻るが部屋の中の惨状を見て青くなる。

「…また、やっちゃったのね…俺」

「半分はツノカワのせいですけどね」

楽しみにしていたクリスマスパーティがめちゃめちゃになり、しかも半分は自分のせいで有利はがっかり肩を落とした。

それから数時間後、夜も深まり、城内も静まりかえっていた。コンラッドは夜の見回りをおえ部屋に戻る途中、廊下に黒い影が動いているのを見つけた。

「あの部屋はグウェンダルの…刺客?」

何かを担いでいる。静かにその影に近付き、吹き出しそうになるのを堪えた。

「静かに。騒ぐとこの場で…」

低く、威圧的な声をだし、部屋の前にいた人物の口を背後から手を回して塞いだ。
ビクッした後、体が硬直している。

「…クスクス」

その笑い声を聞いた人物が暴れ出し、コンラッドの手を振りほどく。

「なんだよ!コンラッドっ脅かすなよ」

「すみません。でもこんな遅くにそんな格好で、グウェンダルの部屋の前で何してるんですか?」

有利は白い布袋を担ぎサンタの格好をしていた。

「まさかグウェンに夜這いとか」

「んな訳ないだろ」

有利がコンラッドを睨み付ける。

「今日のパーティめちゃめちゃになっちゃったし、プレゼント渡せてないから」

せめて寝ている間にと思った訳だ。

「グウェンは遅くまで起きているはずですよ。ギュンターとヴォルフラムはもう休んでる時間だからそちらからの方がいいですね」

確かにグウェンダルのドアの下からは明かりがもれていた。

「じゃ、ギュンターからにしよう。コンラッドも来てくれるの?」

「はい」

もし有利が部屋に忍び込み、夜這いと間違われたら大変だからと言うことは心の中にしまいにっこりと微笑んだ。

まずはギュンターの部屋。
窓辺から少し離れたベットでスヤスヤと休んでいる。有利が辺りをキョロキョロ見回した。

〈どうしました?〉

小声で尋ねる。

〈いや、靴下ないかなぁと。やっばないか。んじゃ枕元に〉

枕元もとにプレゼントを置いて手を引いたとき、その腕をガシッと掴まれた。

〈ひぃーっっ〉

「陛下ぁぁ〜何故に私めから遠ざかるのですかぁ〜」

〈寝言です〉

コンラッドがギュンターの鼻に何やら突っ込んだ。

「ふ、ふ、ぶぇっくしょんっ、ふぃ〜」

大きなクシャミをするとギュンターは掴んでいた手を離した。その隙にコンラッドが枕を握らせるとギュンターはそれを抱き締めた。

「あぁっ陛下〜」

〈さっ今のうちに〉

有利が袋からプレゼントを取り出して枕もとに置いてすぐに飛び退いた。

〈なんかおぞまし夢をみられてる気がする〉

〈まぁ所詮夢の中だけですから〉

余裕の笑みで有利を促し部屋を出て行った。

「次はヴォルフラムの部屋だな」

静かにドアを開けると、中からすぴぴぴぃと美少年らしからぬ寝息が聞こえてきた。

「相変わらず寝相悪いなぁ」

上半身と片足はもう布団がかかってはいない。ちょっとやそっとでは起きないことがわかってるので普通の声で話をする。

「ですね」

コンラッドがずりさがった布団を肩まで直してやる。やっぱりお兄ちゃんだなとその様子を有利は微笑ましく見ていた。その枕元にもプレゼントを置うとして、何かくくりつけてあるのに気づく。

「白タイツ....?」

バレリーナとか、王子様がかぼちゃズボンの下にはいてたりするアレである。

「靴下のかわり何じゃ」

「なんか違うよ」

一応その中にプレゼントを入れて、二人は部屋を出て行った。

「じゃもう一度グウェンの部屋へ」

グウェンダルの部屋の前に行くがやはりまだ明かりが漏れている。

「まだ寝てないみたいだな」「もう渡しちゃったらどうですか?」

「でも翌日枕元にプレゼントが置いてあって誰がこれを?サンタさん?それとも両親?ってわくわくするんじゃん」

「水をさすようで申し訳ないけど俺達全員父親はいないし、サンタさん自体この世界にいないので」

「ちぇ夢がないの…うわっ」

急に目の前のドアが開いて明るくなった。

「こんな遅くに人の部屋の前で何をしている…なんだその格好は」

赤の上下に三角帽子から黒髪がのぞいて可愛らしいことこのうえない。

「サンタクロースだよ」

「サンタクロース?」

「そっ。25日の夜にいい子にしている子にプレゼントをくれる人」

有利は袋の奥に残っているプレゼントを取り出してグウェンダルに渡した。

「私にか」

「いつも迷惑かけてるからさ」

「自覚はあるようだな」

手渡されたプレゼントのリボンを丁寧にほどいていく。中から取り出した小さな縫いぐるみを顔の位置まであげてマジマジと見つめている。

「グウェン?」

気に入らなかったのかと思い声をかけてみる。小さくて可愛い物が好きだとしても大の大人に縫いぐるみはまずかったか。

「うむ。可愛いな」

グウェンは大事そうに縫いぐるみを抱えると机の上に降ろした。

へへっ良かった。これからも宜しくな」

「もう遅い。早く休め」

「うん。お休みグウェンダル」

コンラッドと有利が出ていった後、机の上の縫いぐるみの頭を撫でてさっき有利が着ていた服を作ってみようかなとフッと笑みをこぼした。

「気に入ってくれたかな?」

「大丈夫。可愛いユーリから可愛い縫いぐるみをもらって気に入らない訳がないですよ」

「可愛いって…」

相変わらず魔族の美的感覚はわからない。

「じゃあユーリ、おやすみ」

有利の部屋の前で別れようとしたコンラッドの上着の裾を掴んで引き止めた。

「ちょっと待った」

「どうしました?」

有利は部屋にコンラッドを連れこみ、ベットに腰掛けるように促す。

「上着、全部脱いで」

随分と大胆なお誘いに少しびっくりするが、言われるがままに上着を脱ぐ。有利はベットにあがってコンラッドの背中に回った。

「ああっ、やっぱり!!」

背中を見て有利が声を荒げた。

「凄い痣になってるじゃないか!」

夕食時有利を庇ってツノカワに蹴られた後が大きな青痣になっていた。
背中なのでコンラッドにはみることが出来ないがその背中に冷たい物があたる。有利の手の平だ。そして腫れていた背中が少し治まっていく。

「痛い?」

「いえ、気持ちがいいです」

「だいぶ腫れがひいたかな」

手を放して有利は大きな溜め息をつく。

「何で何にも言わないんだよ」

「怪我したことをですか?」有利が頷く。

「あなたを守るのが俺の役目です」

そうなのだ。コンラッドをはじめ、グウェンダルやヴォルフラムは友達ではない。いつでも有利のために命をかける覚悟が出来ている。それを有利自身が望まかったとしても。

「わかってる。でもっ、俺を守って怪我をして欲しくないんだ」

「ユーリ」

背中に有利の髪が触れ、前に腕が回ってきた。コンラッドは何も言わずその手を握りしめていたが腕をほどき有利と向かい合う。コンラッドを見つめる黒い瞳が不安げに揺れていた。
これから先もこの瞳を曇らせてしまうかもしれない。

けど

「貴方を独りにはしない。許されるなら共に生きていきたい」

それは本心だった。

「約束だかんな」

有利は頭をコンラッドの胸にぶつけた。

「はい」

その背中に手を回し抱き締めた。 

「ユーリ、雪だ」

窓の外にチラチラと白い物が舞い落ちて来る。

「本当だ。随分冷えてきたもんな。うわ、あんた上半身裸だから寒いだろ!」

「大丈夫ですよ」

コンラッドは離れたユーリを抱き寄せると低音で囁いた。

「だってユーリが脱がせたんだから責任とって暖めてくれるんでしょ」

「なっ!?」

そして真っ赤になった唇に軽くキスをする。

「MerryChristmas、ユーリ」

「メリークリスマス、コンラッド」

今日が特別な日なのだからかもしれない。
素直に有利がコンラッドの首に手を回すと、コンラッドはそのままユーリをベットに横たわらせた。


静かに雪が降り積もる中、二人は恋人達の時を過ごしていった。


   


2006/12/24 
クリスマスのお話です。半分以上ギャグですね。相変わらずラブラブもしていますが。
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