初めて何もかも話せる友人が出来た。同じ世界を共有してるまさに運命共同体。
これが眞王のシナリオどおりだったとしても、渋谷を27代魔王にしたことは
感謝してる。彼が幸せになるんだったら、僕は喜んで手を差しのべるよ。

けど…

「そりゃもうラブラブですよ」

あ〜あと呆れた様子でヨザックは続ける。

「あんだけ可愛ければ誰でもコロッといっちまいますよ。しかも素直だし、
こんな下っ端の俺達にもお優しいし」

オレンジの髪をかきながら呆れた声を出すが、思い出しているのかその瞳は
優しく笑っている。

なんて事だ。

渋谷が先に眞魔国に到着し、実は魔王だったという衝撃的な事実を知った後、
僕の存在を知り、一番の理解者として渋谷は僕を頼って来る。
そんなシナリオが、彼の名付け親、ウェラー卿コンラートの出現でもろくも崩れ去った。
挙句ヨザックの話しによると、あまりのラブラブっぷりに目もあてられないって
言うじゃないか。
絶対、眞王の意思が入っているとしか思えない。僕と渋谷がラブラブにならないように、ウェラー卿を間に介入させたな!

前言撤回。

「猊下?具合でも悪いんですか?」

下を向いていた僕を心配そうにヨザックは覗き込む。

「いや大丈夫だよ」

「じゃ俺はもう行きますけどお気をつけて下さいね。いつもお側に俺がいること、
忘れないで下さい」

「心強いね」

ヨザックはにっと笑うとウインクをして闇の中に消えて行った。

はぁと僕は大きくため息をついた。まずはこの状況をどうにかしないといけない。
ヨザックが味方ならいざという時、身を挺してでも僕らを守るだろう。

僕は疲れた体を横にして少しでも体力をつけようと目を瞑った。とにかく今後のことはまずこの状況を脱出してからゆっくり考えるとして....

覚えてろ!眞王。

2007/4/20
裏マDXを聞いた後に浮かんだネタです。健ちゃんヨザックから二人のいちゃいちゃぶり、
たんまり聞かされちゃったんでしょうね


ブラウザを閉じて戻ってください。

 

inserted by FC2 system