クリスマスイヴ。

朝から快晴で、今年もホワイトクリスマスにはならなさそうだ。


学校帰り、買い物したいという村田に付き合い、待ち合わせしたCDショップから出てきたところだった。あたりはすっかり暗くなっている。近道の公園を通ると、急に風が強くなって俺はマフラーを巻きなおした。

「渋谷は今年も家族でクリスマス?」

俺は恨めしそうに村田を見た。

「今日中に誰かが告ってくれない限りは。そう言う村田は?」

「君と一緒。むしろ一緒に過ごす家族がいるだけいいかもね」

「また両親仕事?」

「そっ、お正月まで仕事してそうな雰囲気だよ」

「んじゃまたうちに来いよ。どうせ山程料理作るしさ」

「うーん」

「それとさ、クリスマス、眞魔国行こうぜ」

その提案に村田はえっ?と少し驚いた顔をした。

「この間、あっちから帰るとき、クリスマスは一緒にってコンラッド言ってたからさ」

笑顔で話す友人に内心村田はチッと舌打ちする。相変わらず抜け目がない。

「向こうの人達、クリスマスの行事、知らないだろ」

「コンラッド、その時期アメリカにいたんだって。まさに本場を体験だよな」

「…止めとく」

「えっ、なんで」

「邪魔だろ」

「大丈夫だよ、多い方が楽しいじゃん」

ほんのちょっとだけ、村田はウェラー卿に同情した。

「君1人で行って楽しんでおいで」

村田は首をすくめて歩きだした。

「危ないっ」

と言う声に振り返ると同時に村田の頭に衝撃が走った。
俺はとっさに村田を支えようとその腕を掴んだか、重力のかかった体は、そのまま噴水に吸い込まれるかのように勢いよく、俺ごと倒れていった。。
冬の噴水は寒い。せめて、自宅の風呂で…と思いながら俺は流されていった。

 

 

「冷たく…ないや」

「う〜、頭痛い」

俺はジャバジャバとお湯をかいて村田に近寄った。

「大丈夫か!凄いヘディングだったぞ」

「くらくらするよ。何があたったの?」

「バレーボールが直撃したんだよ。足で蹴ってたけど」

「全く、公園じゃ球遊び禁止って書いてあるのに」

立ち上がる村田を見て安心する。

「良かった〜打ちどころ悪かったらどうしようかと思ったよ。ところでここ、どこかわかる?」

「あぁ、ここは眞王廟の浴室だよ」

きょろきょろ辺りを見回し確認した村田は、出入り口に向かっていき、廊下に向かって大きな声をあげた。

「誰かいる〜着るものとタオル、2人分持ってきて〜」

少しすると

「お待たせしました〜ん」

と聞き慣れた声がして、ヨザックが入ってきた。

「ヨザック!!元気?」

「はい〜とおっても。陛下もご機嫌うるわしいようで。あれ、猊下はちょっとご機嫌斜めですか?」

「君の格好見てご機嫌になる人はあんまりいないと思うよ」

ヨザックの服装は太ももまでスリットの入ったチャイナドレスだった。足の綺麗なお姉さんが着ていたらかなり魅惑的なのだが。

「なかなか人気のある衣装なんっすよこれ」

何処で?と突っ込みたい。

「ますます頭が痛くなってきた。僕たち着替えるから、君も着替えて」

「え〜」

村田はキッとヨザックを睨んだ。

「ハイハ〜イ。んじゃ俺も着替えて参上しま〜す」

「別にそのまま参上しなくていいから」

「ひっどい猊下っ、久しぶりの再会なのに」

「着替えるから出てってね」

村田は背を向けて上着を脱ぎはじめた。

「話色々聞きたいし、また後でな。タオルありがと」

俺はニコッと笑った。

「では俺も着替えてきまーす」

ヨザックは浴室を出て行った。



「村田さ、ヨザックに冷たくない?」

「そんなことないよ」

とは言っているが、やっぱりヨザックに対してちょっと冷たいんじゃないかなぁと俺は感じていた。本当は今回の眞魔国訪問で、もっとヨザックと村田がフレンドリーになってくれればいいんだけど。

着替え終わった後、俺たちはウルリーケの元へ向かった。

「陛下、猊下、お帰りなさいませ」

「うん、ただいま。今回はなぜ呼ばれたの」

ウルリーケが躊躇いがちに答える。

「実は、お呼びだてはしていないのですが」

「へっ、そうなの」

「はい、大変申し訳ありません」

小さな体で謝られるといじめているような気分になってしまう。けどこんな少女の姿なのに800歳を超えているのだ。

「別に君のせいじゃないよ。気にしないで」

「はい、ありがとうございます」

「なら僕達は部屋に戻るから、何かあったら呼んでね。行こう、渋谷」

「血盟城に行かないのか?」

廊下を歩きながら、村田に質問した。

「あっちから訪ねてくるよ」

いつもならタオルを持ったコンラッドや、ヴォルフラムが待ってくれていたから、なんだか物足りない。早く皆と会いたいんだけど、わざわざこっちに来てくれるんだろうか?
部屋について、皆の到着を待ちながら濡れた鞄の中身を出していると誰かがドアをノックした。

「どうぞ、開いてるよ」

「失礼します」

「コンラッド」

コンラッドが一礼して中に入ってきた。

「お帰りなさい、陛下」

「陛下言うな、名付け親」

軽く睨み付けるとふっと目元を下げ

「お帰り、ユーリ」

と微笑む。なんかやっと、眞魔国に来たって気持ちが湧いてくる。

「お邪魔かな?」

「とんでもない猊下、お帰りなさい」

「どうも」

「コンラッド、ヴォルフラムとギュンターは?」

「実はまだ血盟城にお二人が戻られた事は伝わっていなくて」

「えっ、どうして?」

いつもなら直ぐに自分が来たことは伝わるはず。あれ?なら何でコンラッドは俺が眞王廟にいることがわかったんだろう?

「あっ、隊長、準備出来ましたよ」

ヨザックが部屋に入ってきた。

「準備?」

コンラッドを見ると彼はニコッと笑った。



 

 

 

眞王廟を出発して2時間。
有利はコンラッドと、村田はヨザックと馬にダンデムしていた。

「お尻、痛い」

「後少しです。あっ見えてきました」

森を抜けた先に街が見えてくる。

「あそこで買い物をしていきましょう」

コンラッドは馬から降りて俺に手を貸してくれた。

「サンキュー」

ヨザックと村田も馬を降りる。

「欲しい物があったら言って下さいね」

コンラッドは有利にフードを被せて微笑んだ。
道の両側には店が並び、あちこちから良い匂いが漂ってくる。村田と眞魔国に来た時、午後4時頃だったから、あれから3時間は経ってるだろう。もう夕飯の時間だ。お腹も減るはずだよ。

「お兄ちゃん、食べてきな」

屋台から声をかけられ俺は足を止めた。

「ほら味見していきな」

なんか肉っぽい物を差し出される。有利が手を伸ばそうとすると横から手が伸びて肉を奪奪われた。

「ヨザック」

ヨザックはその肉を食べてしまう。

「ん、なかなかいけますよ」

「んじゃ、兄ちゃんと、その隣の兄ちゃんもね」

屋台のおじさんは、また肉を取り分けてくれた。

「ありがとう」

「すいません」

俺と村田はもらった肉を一口で食べる。

「買っていきます?」

「僕はいいや」

「俺も。ごめん、おじさん。でも美味しかったよ」

「いいよ、またよろしくな」

人混みの中を歩き出すと、村田がヨザックに言った。

「別に毒見しなくても大丈夫だよ」

あっそうだったのか、といまさらながら気づく。

「腹が減ってて、俺が食べたかったんですよ」

しかし、ヨザックは村田のフードを直してにかっと笑った。


「いたいた。何か欲しい物はありましたか?」

コンラッドが紙袋を持って歩いてきた。

「うんん、コンラッドは何買ったの」

「この街の特産品とかいろいろです。お腹すいたでしょ、行きましょう」

「隊長〜あれ買った?」

「あれはダメだ」

「え〜ったまには羽目はずしましょうよぉ」

「ダ・メ・だ」

俺は2人の間に割って入った。

「なになに、グリエちゃん欲しいのあるの」

「ユーリ」

「そ〜なんですよ。美味い果実酒なんですけど、地方にしか売ってなくて」

「何だ、その位ならいーじゃん。買ってあげなよ、コンラッド。あっ、もしかして凄い高いの?」

「とんでもない、庶民の酒なんですからお小遣いで買えちゃいますよ、坊ちゃん」

ここで有利にケチだと思われたらたまらないが、ヨザックの欲しがっている酒はちょっと問題がある品だった。コンラッドは村田を見たが、彼はあさっての方を向いて、知らんぷりしていた。

「コンラッド、俺からもお願い」

その後ろでニヤニヤ笑っているヨザックを睨みつけて、コンラッドはため息をついた。

「一人で飲めよ、グリエ」

「ありがとう、コンラッド」

他人事なのに笑顔でお礼を言う有利を可愛くて抱きしめたくなる。そんな事を考えているとは露知らず、俺は良かったなぁとヨザックと話していた。

買い物を終え、街の外れにある林を抜けると洋館があった。
レンガの壁には所々蔦が絡まり、屋根まで延びているところもある。

「凄いなぁ。ここホテルかなんか?」

有利と村田はフードをとり、洋館を見上げた。

「俺の家ですよ」

「ええっ!!コンラッド家持ちなの、まさか妻子までいるなんてことないよね」

「あなたがいるのにそんな事ありませんよ。いつまでも外にいると風邪引きますよ。猊下もどうぞ」

有利は中に入ってため息をつく。まるでホテルのロビーだ。コンラッドは庶民派だと思っていたがやはり、俺の庶民っぷりとレベルが違う。

「ウェラー卿、空き家にしてた割には手入れが行き届いてるね」

村田もあたりを見回している。

「お手伝いさんにお願いしておいたんですよ。それにしょっちゅう母が立ち寄ってますしね。食事の支度ももう出来てますから」

「やった、もう腹へって仕方ないよ」

広いダイニングのテーブルの上では綺麗に磨かれた食器が蝋燭の光で輝いている。
フランス料理のフルコースだったらテーブルマナーなんてわかんないよと俺は焦ったが、おなじみの三角スプーンでひとまず安心する。

食事も申し分なく旨かった。

「ごちそうさま。美味しかったよ、コンラッド」

「良かった」

「ご馳走さま」

「ごちそうさ〜ん。ちょーっとグリエ失礼しますね」

ヨザックは席を立つと部屋を出て行った。

「俺達も場所を変えようか。以前、猊下の見たがっていた本も何冊かありますよ」

部屋を出て二階に上がる。
階段すぐそばのドアを開けてコンラッドは俺たちに中に入るよう促した。
部屋の壁には暖炉が設置され、暖かな炎が揺らめき、暖炉の前には毛の長い絨毯がひかれ、コーヒーテーブルとソファーが置かれている。

「すごい、セレブって感じ」

「殆ど母の趣味ですけど」

コンラッドは本棚に近づくと何冊か本を取り出してテーブルに置いた。

「猊下、ここでどうぞ」

「ありがとう」

村田は積まれた本の一冊を選ぶとソファーに腰掛けた。

「じゃ俺ここでいいや」

フカフカの絨毯の上にしゃがみ込む。

「何か飲み物を持ってくるよ」

コンラッドがドアに向かおうとすると、ドアが思い切り開けられた。

「メリークリスマス〜♪」

「グリエちゃん?」

村田とコンラッドは呆れた顔をしてため息をついた。

「あれ?どうしたんですか、シケた顔して」

「呆れてるんだ」

「何?その格好」

「何って、猊下と坊ちゃんの国では、クリスマスの日にこ〜んな格好で楽しむんでしょ」

「渋谷…」

「違う、俺じゃない、俺こんなこと教えてないから」

俺は思い切り首を振った。ヨザックはサンタクロース女の子バージョン、しかも思い切りミニスカートだった。

「誰から聞いたんだよ、全くもう」

「アニシナちゃんが、隊長から聞いた話を忠実に再現してみたんですが」

「コンラッド〜」

アメリカのクリスマスで、何を覚えて帰ってきたんだよ!!

昔アニシナに地球の説明をしたことはありますが、ちょっと間違って伝わっているような・・・

ちょっとじゃないよ

村田が突っ込んだ。

「まっ、楽しく行きましょう〜はい坊ちゃん、猊下」

ヨザックは俺と村田に飲み物を手渡した。

「んで、隊長はこれっと」

「俺は飲まないからな」

「まぁまぁ、せっかくの夜なんだしさ、硬いこと言わないって」

「それって、さっき買った果実酒?」

「そうですよ。どうです?坊ちゃんと猊下も。味は果汁と変わらないんですよ」

「へぇー」

酒は20歳になるまで禁止だが、ヨザックがどうしても、と欲しがっていたお酒ということもあって、ちょっと興味がわいていた。

「ぺロッとなめるぐらいなら」

「ユーリ、ダメですよ。禁酒中でしょ」

「なんか人をアル中みたいに言うなって、一口だけ」

「さっすが陛下。英雄酒と女を好むってね」

「ダメだ、ユーリ」

コンラッドはお酒をヨザックから奪うと、それをテーブルに置いた。

「これは、アルコール度が高くて、悪酔いしやすいんです」

「ちぇ」

俺は仕方なく、最初にもらったジュースを飲んで、飲みかけのコップをテーブルに置いた。

「それから、グリエは着替えてこい」

「え〜可愛いじゃないですか、これ」

「女の子が着たらね」

村田が冷たく答える。

「なら、猊下着てみます?可愛いから似合いますよ、きっと」

村田はシカトして本に目を落とした。

「陛下着てみます?」

「遠慮しとくよ」

「ヨザっ」

「ヘイヘイ、着替えてきますよっと」

ぼやきながらヨザックは部屋を出て行った。

「まったく」

「でも、グリエちゃんらしいよね」

「あいつを甘やかせると調子に乗りますよ」

その言葉に村田がうんうん、とうなづいていた。

俺はまたやわらかい絨毯に座り込んだ。その横にコンラッドも腰掛ける。コンラッドは眞魔国で流行っているという、本を俺に読んでくれる。パチパチと薪の燃える音と、コンラッドの声が心地よい。俺はテーブルに手を伸ばして、飲みかけのジュースを飲み干した。

しかし、次の瞬間、体が、一気に火照って、頭がボーっとしてきた。上半身がコンラッドに倒れ掛かる。

「ユーリ?」

そこへ、手におつまみを持って着替えたヨザックが入ってきた。

「あれっ?誰か俺の酒飲んじゃったんですか?」

「ユーリッまさか?」

「へっ?お酒?俺ジュースかと思って」

コンラッドがヨザックを睨みつける。そりゃ俺のせいじゃないっすと、ヨザックは心の中でさけんで首を振った。

「それは、即効性なんです。だからダメだといったのに。お風呂に入って酔いを冷ましますか?」

「う〜ん〜眠い〜」

なんだか急に睡魔が襲ってくる。

「ダメですよ、床に寝ちゃ、ほら立って」

ふかふかした絨毯にしがみついていた俺をコンラッドは小脇に抱えた。

「猊下、好きな部屋使ってもいいですから。ヨザックもちゃんと案内するんだぞ、ユーリ、起きて。すみません猊下、ユーリを部屋で休ませるので、失礼します」

「おやすみ、ウェラー卿」

「おやすみ〜村田、グリエちゃん」

俺は小脇に抱えられながら、二人に手を振った。廊下に出ると急に気温が下がる。

「さぶっ」

ふわっと体が浮くと、コンラッドは俺をお姫様抱っこした。いつもなら恥ずかしくて抵抗するのだが、眠いからなのと、廊下が寒いこともあり、俺はコンラッドの首に腕を回してしがみついた。

「はい、到着です」

コンラッドはゆっくり俺をベッドに下ろすと、この部屋にも設置されていた暖炉に薪をくべた。

コンラッドの姿がみえなくなり、俺はそのまま目をつぶった。

 

 

 

 

髪を撫でられ、目を開けるとコンラッドの顔が側にあった。

「ユーリ、お湯が入ったよ。お湯に浸っておいで。酔いも少し覚めるから」

俺はもそもそ起き上がり、ベットに座り込んだ。眠たいけど、寝るならお風呂に入りたい。けど部屋の中は暖かくて、このまま寝たい衝動にかられる。ふわふわして気持ちが良かった。俺は下を向いたまま、睡魔と闘いながらシャツのボタンをはずし始めた。
コンラッドがしゃがんで手を伸ばし、俺のシャツのボタンをはずすのを手伝いはじめる。

「はい、外れたよ」

ボタンをはずしても、身動きしない俺を不思議に思い、コンラッドが俺の顔を覗き込んだ。

「ユーリ、大丈夫?」

コンラッドと目が合い、俺は焦点をあわせて、その瞳を覗き込んだ。茶色に銀を散らした不思議な色の瞳。俺の大好きな瞳の色。
俺はコンラッドの唇に、自分の唇を重ねた。唇が離れると今度はコンラッドから唇を重ねてくる。唇がまた離れると、しゃがんでいたコンラッドは立ち上がり、今度は座っている俺をゆっくりと押し倒した。

「酔ってるの?ユーリ」

「かも」

「なら、もう休んで」

「やだ」

「眠たいんでしょ」

キスをして、眠気なんて覚めてしまった。そして別の欲求も目覚めてしまう。

「目が覚めた。コンラッドのせいだぞ」

くすっとコンラッドが笑う。

「俺の?」

俺はうなずいた。

「だからさ・・・・・」

「だから?」

「責任・・・とれよな」

「仕方ないな」

コンラッドは俺の前髪をかきあげ、優しく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのお酒、ちょっとヤバイ」

いつもとは違う自分の反応に、しっかりと酔いが覚めた今、恥ずかしくて仕方なかった。

「たまには、大胆なユーリもいいかも」

うっぎゃーっっっ!!!

寝ていると思っていたコンラッドが、返答してきて、俺は恥ずかしさのあまり、穴があったら入りたかった。残念ながら穴はないので、俺は枕の下にもぐりこんだ。

「ユーリ」

しかし、コンラッドは枕を奪って、俺の頭にキスを落とした。

「あれはっ、お酒のせいなんだからなっ、うーっっっ絶対禁酒、もう絶対飲まない」

「だから最初にあれはダメっていったでしょ」

そのままコンラッドに抱きしめられる。

「これに懲りて禁酒、しっかり守ってくださいね」

「・・・・・はい」

俺は小さくうなずいた。

「でも、たまにはいいかもね」

その発言に俺はコンラッドの腕をつねり上げた。

「いたたたたたっっ、ユーリ痛いよ」

「絶対飲まねーっっ」

俺は再び禁酒を誓った。コンラッドがくすくす笑っている。

「明日はキャッチボールしましょうか」

「うん」

再び睡魔が襲ってくる。今気が付いた。窓の側にツリーが飾られている。

「コンラッド、メリークリスマス」

「メリークリスマス、ユーリ」

俺は目を閉じた。家族と過ごすクリスマスしか知らなかった俺が、初めて他の人と過ごす特別な日。来年も一緒に・・・・

「一緒に過ごせて嬉しいよ。来年も、一緒に過ごそう」

同じことを思ってくれる大切な人に、俺もうん、と頷いた。


全ての人にHappyX'mas

2009/12/25

 


どうにか間に合った、久しぶりのUPです。放置されてるヨザックと村田のお話とか、いつもと違う大胆ユーリのお話はまた後で、UPできたらなぁと思います。皆さんも素敵なクリスマスを過ごしてくださいね。
とんびは友人宅焼肉パーティーしました。美味くてHappy〜です。

ブラウザを閉じてください。

 

 

 

 

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