中学の時の友人に誘われてクリスマスパーティーをやった帰り、俺は知り合いに会わないようにとキョロキョロ辺りを見回し、人気のない方角を選びながら歩いていた。時刻は午後9時。人気のない公園に入ってやっと一息ついた。
「なんとかあと少しで自宅だけど、勝利とおふくろに見つからないようにするにはどうすれば…」
「あれ?もしかして渋谷〜?」
ギクッとして振り向くと村田が公園に入ってきた。
「どうしたの?その格好。なんかのプレイ?」
「ちげーよっっ」
「コスプレにしてはちょっと衣装が違うよね」
村田は俺を足から頭まで見て、ぶるっと震えた。「寒くない?」
「…寒い」
それもそのはず、俺が着ているのはクリスマスの定番、サンタさんの衣装なのだが、なんと足は素足にブーツだったりする。そう女の子バージョンだ。村田が口を開く前に俺は言い訳をはじめた。
「仕方ないだろ罰ゲームで負けちゃって、家までこの格好で帰る羽目になっちゃったんだから」
「別に真面目に自宅までそれで帰らなくても途中で着替えればいいのに」
「服、没収されたんだよ。明日、家に届けるって」
「渋谷…」
村田が不憫そうな目で俺を見る。
「いじめられっ子?」
「違うから。そうだ、なぁ、村田の服貸してくれないか」
「ええっ!じゃあ、僕がそれ着るの!?」
「違うって。村田に一度家に帰ってもらって、服持ってまたここに来てよ」
「けど、あと君ん家まですぐじゃん。走って帰った方が早いよ」
「途中に誰かと会うのは嫌だけど、家でおふくろと勝利に見られんのはもっと嫌だ」
「あ〜大変な騒ぎになるだろうね」
俺のお袋と勝利の性格を知っている村田ならどうなるか想像に難くない。
「なっ、頼む」
俺は両手を合わせ、頭を下げた。
「仕方ないなぁ。んじゃ貸しだね」
「マジ!助かった」
とりあえずホッとしたのも束の間、一難去ってまた一難だ。
「お〜こんなとこにミニスカートのサンタさんがいるぞ〜」
酔っ払いが現れた!(ドラクエ調でby村田)
「行こう、渋谷」
「ああ」
内心ムカっとしながら公園の出口に向かうが酔っ払いにしては動きが早く俺の前に回り込んだ。
「いいね〜可愛いね。おじちゃんとも遊ぼう」
そして俺の腕をむんずと掴むと思い切り引き寄せた。
「っ、なにすんだよっ」
引かれた腕を取り返そうと力任せに引っ張ると呆気なく酔っ払いは腕を離した。予想外だ。
「うわっ」
俺は勢いがついたまま後ろにのけぞり、そのまま尻餅をつく、筈だったがそこに地面はなく大きな水音と村田の俺を呼ぶ声が聞こえた後、大きな流れにのまれていった。
「げほっ。うー寒…くない」
確か公園の池に落ちたはず。しかし今現在、濡れた体は寒くはなく、むしろ暖かくて気持ちよかった。
顔をあげると目の前に驚いた顔のコンラッドがいた。
「へ…陛下?」
「えっ?コンラッド!?」
俺はしばらくコンラッドと見つめ合う。
「あはははは、Merry Christmas、コンラッド。っうか、陛下っていうな、名付け親」
驚いていた顔が笑顔にかわる。
「おかえりなさい、ユーリ」
頬に軽くキスをされる。未だに外国人風挨拶に照れてしまい俺は辺りを見回した。コンラッドがいるから眞魔国にはかわりない。
石造りの壁に湯に浸かってることから浴室なのはわかるけど。
「ここはどこ?」
「街の宿屋です」
「宿屋?なんでそんなとこに泊まってんの?」
「視察ですよ。あなたこそどうして?しかもそんな可愛らしい格好で」
「あ〜色々事情があって」
「地球ではクリスマスですか?」
「そうなんだよ…なぁちょっと、あんたどこ触ってんだよ!」
コンラッドの手のひらが俺の太もも辺りを行ったり来たりしている。
「手が勝手に」
「勝手にじゃねーっ」
「けどそんな格好で俺の上にまたがられたら」
言われて俺は赤くなった。俺はコンラッドの上にまたがる形でしかもコンラッドは湯船でくつろいでいるから真っ裸だったりする。
「ごめん、おくつろぎの最中!俺出るから」
立ち上がろうとすると腰を掴まれて立ち上がることが出来ない。
俺はますます焦った。ちょうど座っているのがコンラッドの下腹部。意識するなといってもそりゃ無理だ。
「ちょっとマズいってコンラッド!」
「ユーリ」
耳元で囁くように名前を呼ばれる。
「会いたかった」
そんな嬉しそうな顔をされたら、抵抗出来なくなる。会いたかったのは俺も同じなんだから。銀を散らした瞳に吸い寄せられ、ゆっくり近づいてくる顔に見とれてしまう。
唇が重なり、徐々に深いものへと変わっていった。
「んぁ…はぁ」
ベルトが外され前のボタンも全て外される。
「…やぁ…ん」
外された上着の前にコンラッドの手が回りシャツの上から、胸の先端をつままれて、あらぬ声を上げてしまう。恥ずかしすぎる。
なのにコンラッドは余裕な感じでクスッと笑うと「ユーリ、可愛い」と囁いた。
「可愛いとか…言うな、あっ」
右の先端をまた強くつままれ、今度は左の先端を親指で潰される。
「やっ、コン…ラッ」
濡れた布の感触がいつもよりも鈍く肌に伝わり、気持ちが悪い。
「コンラッド、や…だ」
「嫌なの?でもここは固くなってるよ」
くいっと両方の先端を潰される。
「んっっ」
その刺激に、俺はぎゅっと目を瞑った。もっと強い刺激が欲しい。
「ユーリが嫌ならやめるよ」
「違…っ」
コンラッドは俺から手を放した。
「意地悪っ」
「ちゃんと言ってくれればずっとユーリを気持ち良くさせてあげるよ。どうして欲しいかちゃんと言って」
言葉に詰まる。普段は爽やか好青年なのにこのエロオヤジ!!けどこのまま放置されてしまうなんてたまったものではない。
「直…接、触っ…て」
「仰せのままに」
シャツを脱がされ、コンラッドの舌が今まで布越しで触れられていた箇所に直接ふれた。
「ひゃ…っん」
舌で舐めあげたり軽く噛んだりする。
「熱…い」
体が熱いのはコンラッドのせいなのか、長風呂のせいなのか頭がポーッとしてくる。
「ユーリ、暑いでしょ。立って」
「あっ…うん」
とにかく一度湯から上がろうと思って立ち上がる。
「わーっっ!ちょっ、コンラッドっっ」
立ち上がるとコンラッドが俺の下着を下まで一気に下ろし、慌てふためく俺の息子さんをコンラッドが口に含んだ。
「はあっ…!ダメっ」
支えるものがなく、崩れ落ちそうになるのをコンラッドの手が腰を押さえて支える。俺はコンラッドの頭をつかんで辛うじて崩れ落ちるのを防いだ。舌先を使い根元から先端まで舐めると口に含んでくびれた部分を唇で押さえて先端に舌をねじ込んできた。
「はあ、ぁんっ…ん、ダメ、コンラッド」
気持ち良すぎてどうしたら良いのかわからなくなる。意識が飛びそうだ。俺はブンブンとかぶりをふる。目を開けて下を見ると俺を口に含んでいる、コンラッドと目が合う。色気を放つコンラッドの瞳にゾクッとくる。
わざと見せつけるように一度口から放すと、舌を使い、ゆっくりと舐めあげられた。たまらずに目を閉じるが、脳裏に焼き付いた残像と、コンラッドの舌も動きに、俺はますます前を強ばらせた。
「また、固くなったよ。感じてる?」
俺は恥ずかしさで何も答えられず、首を左右に振った。
「おかしいな。ここは、固いけど」
「やだっ、ダメっ!!コンラッド」
根元から吸い上げられて、俺はコンラッドの口の中で達してしまった。
「はぁ…はぁ…もう…熱っ」
「もうちょっと頑張って。後ろ向いて」
俺は言われるまま、後ろを向く。
「ひゃっ!」
冷たい感覚が後ろに伝わる。コンラッドがボディシャンプーを手に落とし、ソレを俺の入り口に塗り込んだ。
「すぐ慣れるからちょっと我慢して」
冷たい感覚とともに異物が入り込んでくる。俺は真っ直ぐ立てず両手をバスタブについてお尻をコンラッドに突き出すような形をとった。恥ずかしくて顔から火が出そうだ。それなのに、俺はやめることが出来なかった。
「いい子だ」
「ぁぁ…はぁ…」
入り口付近をまさぐっていた指が二本に増える。痛みはなく、全身の神経がコンラッドの指の動きに集中し、強い快感が背筋を登っていく。
一度達した前は、またムクムクと立ち上がり、天を仰ぎはじめた。コンラッドの指は、上下に動き、的確に俺のポイントを探って時折、人差し指の腹で感じる場所をこすりあげた。俺はそのたびに小さな声をあげる。声を抑えようにも手はバスタブを握り締めているため、口を抑えることが出来ない。
「コンラッドっ…もう!」
先端から透明な液がポタポタと落ちて湯船に波紋をつくる。
「まだイかないで」
指を抜かれ、「あっ」と声をあげてしまった。
「こっち向いて」
手を引かれコンラッドと向かいあう。
「しゃがめる?」
湯船の中でコンラッドのものが立ち上がっているのを見て、唾を飲みこんだ。
「そう、ゆっくり」
言われるがままに腰を落としていく。俺はコンラッドのものを掴んで自身の後ろにあてがう。指とは比べ物にならない質量。
「大丈夫。そう、良い子だね。そのまま腰を下ろして」
コンラッドの先端が俺の中に少しずつ埋まっていく。
「…はぁっ…」
半分まで埋まり、手を添えなくても良くなると俺はコンラッドの首に両手を回す。コンラッドも俺を抱きしめ、キスをしてくる。
「ふぁ…」
「…くっ」
体の中心が熱い。俺はコンラッドを全部飲み込んで大きく息をついた。コンラッドも息を吐き、俺の背中をなでる。
「…熱…い。入っ…た?」
「ユーリの中、熱くてすごく気持ちいいよ」
「そう言うことっ!んっっ…はっっやぁんあぁん!!」
激しく腰を突き上げられて最後まで文句を言うことは出来ず、浴室にはバチャバチャと大きな水音と、俺の声とコンラッドの息づかいが響き渡った。
コンラッドは俺の前も腰の動きに合わせ、大きな手で上下していく。
「も、ダメぇっ、コンラッド」
「いいよ、イッて」
先端をこすられて、俺がイクのと同時に俺の中に熱いものがドクドクと流れ込んできた。
俺はそのまま、コンラッドに体重を預ける。お互い体は火照ったままで、息があがっている。
「愛してるよユーリ」
ぎゅっと抱きしめられて「俺も」とコンラッドを抱きしめかえした。
冷たいタオルがおでこに置かれて、目を開けると心配そうな顔が覗きこんでいた。
「大丈夫?」
「うん、ごめん、俺のぼせちゃったのか?」
「すみません。無理させてしまって」
さっきの風呂場の出来事を思い出し、顔が赤くなる。
「いや、その、けど俺もちょっと夢中になっちゃったし、別にコンラッドのせいってだけでも…」
何言ってんだ、俺!
ふっと柔らかくコンラッドが微笑んだ。
「何か飲みます?果物の果汁がありますよ」
「もらう。ありがとう」
手渡されて一気に飲み干した。はぁ生き返る。人心地ついていると大きな音と強い光が窓から差し込んだ。
「な、なんだ!」
「新年を祝う花火ですよ」
「へー、ってこっちって年末年始だったの!クリスマスじゃないのかよ」
また花火があがる。
「はい。年が明けましたよ」
「そっかぁ。なぁ、なんでさっきからそんなに嬉しそうにニコニコしてんの」
「年末年始を一人寂しく宿屋で過ごすつもりが、可愛いサンタさんがやって来て、プレゼントまでくれて、盆と正月が一気にきたみたいで嬉しくて」
「それをいうならクリスマスと正月だろ。けど俺プレゼントあげてないよ」
「ユーリが来てくれて、一緒の時間を過ごせたのが最高のプレゼントだよ」
「コンラッド…」
「まぁユーリ自ら、あんな格好でプレゼントになってくれたし」
「…べつにあんたの為じゃないから」
コンラッドが俺を抱きしめる。
「Happy
New
Year、ユーリ」
「おめでとう、コンラッド。今年も宜しくな」
「はい。こちらこそ」
多分宜しくされんのは、半人前の俺の方なんだけどさ。
思わず新年を眞魔国で迎えることになったけど、一番におめでとうといえる人がコンラッドで嬉しいと素直に思えた。
「明日、血盟城に戻りましょう。グレタもヴォルフラムも喜びますよ」
「グレタ戻ってるの」
「ええ」
「じゃ、カルタとか羽つきとか教えてあげなきゃ」
「賑やかになりますね」
「だね」
「なら、もう休みましょ。きっと明日は陛下は引っ張りだこですよ」
「ん…」
明日はグレタと遊んで、ヴォルフラムにギャーギャー騒がれて、グウェンに小言言われて、ギュンターに汁飛ばされて、本当に騒がしい1日だろう。だから…
「ユーリ?」
「陛下って言うな名付け親」
コンラッドの背中に腕を回す。いつまた地球に戻ってしまうかわからない。なかなか普段は二人きりになれないから、今日ぐらい思い切り甘えたかった。
「寝不足になりますよ」
ベッドに倒され、コンラッドを見上げる。
「いいよ、別に」
ゆっくりとおりてきた唇を受け止める。
「ユーリ」
窓の外ではまだ花火が打ちあがっている。
今年が良い年でありますようにと願いながら俺はコンラッドに体を委ねた。
みんなにが幸せな一年になりますように。
2009.1.2
クリスマスに書いたネタでしたが大幅に過ぎ、ならば新年もかねちゃえ!!と最後を変えちゃいました。UPも遅いから、どうせならエロネタに。新年早々すみませーん。でも楽しんでいただければ幸いです。皆さんにとっても今年が良い年になりますように。
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